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ご近所さんと上手にお付き合いする為に
日照権について考える

ご近所さんと上手にお付き合いする為に
日照権について考える

ご近所さんと上手にお付き合いする為に日照権について考える

念願のマイホームを手に入れたらその土地に根をはることになります。
そしてこれから長いお付き合いになるご近所さんとは上手くやっていけるだろうか?と、
いう心配もありますね。
できる事ならお互いに平穏な生活を営むために、ご近所さんとは円滑にお付き合いをしたいところです。

また、家を建てたりマンションを購入する際には、地域環境や日当たりは重要事項の一つですよね。
マイホーム購入は生涯の中でも、大変に大きな買い物です。
賃貸とは違いご近所トラブルや不便がでたからといって、早々に引っ越すこともできません。

今回はご近所トラブルの一つ、家の日当たり「日照権」問題について考えてみます。

日照権とは?

日照権とは?

日照権とは?

日照権とは、家など建築物への日当たりを確保する権利のことです。
中高層建築物などにより、著しい斜光・採光に障害をもたらされた場合、日照権を侵害しているとして損害賠償請求が認められた判例も多くあります。

日照権侵害にあたるかどうかは「受忍限度」に基づきます。

「受忍限度」とは
騒音・振動・悪臭・日当たりなど環境や、プライバシーの侵害、名誉毀損など一般的に社会生活を営む上で、我慢ができるとされる限度のことです。
我慢ができるとされる範囲は個々により感じ方が違うので、それぞれに判断基準があります。

日照権侵害に対する受忍限度の判断基準となるのは、以下になります。

  1. 日照阻害の程度
  2. 日影による中高層の建築物の高さ制限(日影規制・斜線制限)
  3. 用途地域
  4. 加害回避の可能性
  5. 被害回避の可能性
  6. 加害建物の建築をめぐる交渉経過

■参照:日照侵害が受忍限度の範囲内であるとして損害賠償請求が破棄された事例|大阪地判

受忍限度の判断基準

受忍限度の判断基準

受忍限度の判断基準

日照阻害の程度

夏至、冬至、春分、秋分の午前8時から午後4時における被害建物の開口部付近への日影の範囲とその変化を調査・予測。

日照阻害の程度

『日影規制』及び『斜線制限』は建築基準法による規制。
平均地面からの高さ(1.5m・4m・6.5m)と、敷地境界線から水平距離10m以内の範囲における日影時間及び、敷地境界線から水平距離10mを超える範囲における日影時間を規制。
■参照:【建築基準法における日影規制】|みずほ中央法律事務所

用途地域

『日影規制』及び『斜線制限』の適用は、地方公共団体が条例で指定する日影規制対処地区(住宅系用途地域)のみです。
商業地域、工業地域、工業専用地域では適用されません。

加害回避の可能性

加害建物の建築中止・一部の撤去・設計変更など合意的な(経済的・技術的に)範囲で、被害建物への日照時間が確保される配慮が可能か。
加害建物が住居か否か、公共性の有無などの用途。

被害回避の可能性

将来的な被害予見。配置や構造など合意的範囲で、被害回避が可能か。
被害建物が住居か否か、公共性の有無などの用途。

加害建物の建築をめぐる交渉経過

加害建物と被害建物のどちらが先に建築されたか。
加害建物側から被害建物側への説明や交渉が誠実に行われてきたか。
など。

現存する住居同士でも起きる日照阻害

現存する住居同士でも起きる日照阻害

現存する住居同士でも起きる日照阻害

日照権の概念から考えると、住居の周辺に後から建てられた中高層建築に対するものだけのように思えますが、現存する住宅同士、お隣さん関係でも日照阻害は起きています。

例えば南側に隣接する家が、

  • 何の連絡もなく高い塀を造った
  • ウッドデッキに遮光性の高い大きなひさしが取り付けられた
  • 車庫や物置・2階が増建築された
  • 植物が大きく育ち茂っているのに、伐採をしない

など。

被害側の住人からしたら永住のマイホームに、これから先も永遠に日が差さないことを我慢しなければならないのかと考えたら大災害です!

また、加害側の家からだと被害側の季節による日の差し込み方、日中の日影の変化など、もしかしたら気がつかないこともあると思います。

この様な問題が起きる原因は、『日影規制』や『斜線制限』等の知識のない素人(DIYなど)が、建築・増築・植林した場合に起こりえます。
無知うえに隣接するお宅への配慮がされていないことが多いに考えられます。

ご近所さんと上手にお付き合いする為に
日照権について まとめ

ご近所さんと上手にお付き合いする為に
日照権について まとめ

ご近所さんと犬猿の仲にならないためにも、建築・増築・植林する場合にはお隣さんへの配慮を忘れずにしたいですね。

やってしまってからでは、取り壊しや移動など加害側にも大きな負担がかかります。

施工する際にはリーフォーム会社や造園業者などに相談することも大切ですね。

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